(1)マッサージ
食べ物を上手に飲み込むには、首や口の筋肉がスムースに動くことが必要です。首や口の筋肉に力が入っていなかったり、逆に力が入りすぎていたりすると、上手に飲み込むことができません。筋肉がスムースに動くようにするには、マッサージが有効です。(図表1)
図表1 マッサージの方法。これは一例です。特に決まった方法はありません。痛くないように、とにかく触ること、触ってあげることが大切です。
具体的には、@肩や首のコリをほぐすように、A口唇や頬を伸ばすように、B舌を押すように、指でマッサージするのが有効です。力が入らないところは刺激するように、力が入りすぎているところはほぐすようにマッサージするのがポイントです。このとき温めたタオルなどを用いて、温めてからマッサージするのもいいでしょう。ご自身で出来る方はご自身でしてもいいですが、ご自身で難しい方は介護者の方が行ってあげて下さい。
(2)深呼吸
飲み込むときには、呼吸とのタイミングがズレないことが必要です。深呼吸が上手に出来ないと、飲み込むときとのタイミングがズレて誤嚥しやすくなります。また,誤嚥をしたときは、誤嚥したものを咳で出す必要がありますが、このときも呼吸が上手に出来ないと効果的な咳が出せません。日頃から姿勢を正して深呼吸が出来るように練習しておくとよいでしょう。
(3)発音訓練 訓練というよりも「会話」で充分です。話をすることで、口やノド、声帯を動かすことができ、嚥下のためのいい運動になります。もちろん会話には脳も使いますので、認知機能からもいいリハビリテーションになるでしょう。ご家族やご友人とたくさんおしゃべりをして下さい。反対に、脳卒中などで会話が困難な方の場合には、飲み込みの機能も低下しやすくなっています。その分、介助者の方々がマッサージを頑張ってあげて下さい。 これらの訓練は、すぐにめざましい効果が上がることは少ないですが、続けていくことでジワジワと効果が出ます。継続が力になります。
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