Q1.
クラウン(Crown)とは?
Q2.
ブリッジ(Bridge)とは?
Q3.
保険が適用されるものと、されないものではどう違うの?
Q4.
クラウンを被せたら、むし歯にならないの?
Q5.
かぶせた歯がしみることがあるのはなぜですか?
Q6.
さし歯を入れてから歯ぐきが黒くなる場合がありますがなぜですか?
Q7.
金属アレルギーの人は使えないのですか?
Q8.
ブリッジを入れたのですが、どの様なことに注意すればよいですか?
Q1
クラウン(Crown)とは?
A1
■
クラウン(Crown)とは・・・
歯がむし歯などで大きく壊れた場合、金属などで修復します。その修復物の総称をクラウン(Crown)と言います。その目的は、機能・形・美しさの回復です。
次の3つに分類されます。
1.
一部被覆冠
歯の一部分だけを修復するクラウン。
被覆する歯面の数により、前歯では「3/4冠(4分の3冠)」、奥歯では「4/5冠(5分の4冠)」とも言います。
2.
全部被覆冠
歯の全部を修復するクラウン。最も多く、次の項目で説明します。
3.
継続歯冠
神経を抜いた後、歯冠部分を切除して、根管に維持を求めて歯全体を修復するクラウン。『さし歯』の語源と考えられています。最近では、あまり使われません。
■
全部被覆冠の種類
【前歯】
1.
硬質レジン前装冠[保険適応]
金属冠の、前から見える部分にプラスチックを貼りつけて作ります。 プラスチックは、多孔性で水分・唾液を吸収しますので、変色をおこしやすい欠点があります。
2.
セラミック[保険外]
1.のプラスチックのかわりに、セラミックを使用します。見た目に一番自然の歯に近く、歯先に透明感があり、変色もしません。金属を用いず、すべてセラミックで作るクラウンもあります。
3.
ハイブリッドセラミックス(強化プラスチック)[保険外]
従来のプラスチックの欠点である水分の吸収や摩耗を改善しています。 適度な柔らかさをもっているため、使う場所によっては有効です。見た目にもセラミックに近い美しさがあります。
【臼歯(奥歯)】
1.
金銀パラジウム合金[保険適応]
銀色の金冠です。
2.
ゴールド[保険外]
金は、金箔のように薄く延ばすことができますので、歯とよくなじみ適合性も良いため、むし歯が再発しにくいと言われています。
3.
ハイブリッドセラミックス(強化プラスチック)[保険外]
従来のプラスチックの欠点である水分の吸収や摩耗を改善しています。 適度な柔らかさをもっているため、使う場所によっては有効です。見た目にもセラミックに近い美しさがあります。
4.
セラミック[保険外]
見た目に一番自然の歯に近く、透明感もあり、変色もしません。金属を用いず、すべてセラミックで作るクラウンもあります。摩耗などは起きませんが、硬すぎるため臼歯には向かない場合もあります。
■
コア(Core)とは?
クラウン(Crown)を被せる際の土台となるべきものです。状況に応じて、金属で作る場合とプラスチックで作る場合があります。
Q2
ブリッジ(Bridge)とは?
A2
抜歯などにより歯が無くなった場合に、その両隣の残った歯を削って土台にして、人工の歯で橋を架けるような形にした「かぶせ物」です。歯科用セメントで接着して固定するので、取り外しは出来ません。
ただし、抜けた歯の数が多くなると土台になる歯で支えきれなくなるため、ブリッジではなく、取り外しのできる「部分入れ歯」が適用されます。
土台になる歯がむし歯になっていても、歯の根(歯根)がしっかりしていれば、歯根に土台(金属や合成樹脂などで製作します)をたてて、ブリッジを入れることができます。
■ブリッジの長所と短所
長所
・取り外し式ではなく、しっかり固定するので安定性がよい
・自分の歯とほとんど変わらない状態で噛めるので違和感がない
・食事や会話中に外れることがない
短所
・両隣の歯を削らなくてはならない
・土台になる歯に負担がかかる
・人工歯の下の部分に汚れがたまりやすい
■前歯のブリッジ
■奥歯(臼歯)のブリッジ
■インプラント(人工歯根)
ブリッジ以外に、歯を抜いたあとの治療のやり方として、インプラント(人工歯根)という方法があります。
これは顎の骨の中に金属製の歯の根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付けるもので、お口の中や顎の骨の状態、また全身の状況によりできる場合とできない場合があります。なお、健康保険の適用はされず、自費による治療となります。
Q3
保険が適用されるものと、されないものではどう違うの?
A3
全ての治療は原則的に保険の範囲内で治療できるようになっており、日本の医療は保険制度に則って行われています。全国どこでも同じ治療内容が受けられるようになっており、受診の際には一部負担金の支払いが求められます。前歯の欠損を補う治療(ブリッジ)も保険で白い歯がはいります。ただ、欠損の数や部位(位置)によって保険が適用されなかったり、またブリッジができない場合があります。
このように、この保険制度は万能ではなく、方法や材料に制約が多いのも事実です。自費診療ですと様々な高度先進医療(インプラントや歯周病の外科手術)や特殊な材料(ゴールドやセラミックス等)を選ぶことができますが、当然費用がかかります。どちらを選ぶかは、患者さんの目的次第です。ただ、自費治療を受ける場合は、どんな材料を使い、自己負担の費用はいくらなのかを事前に確認し、納得された上で治療を受けるようにしましょう。
■保険材料と自費材料
保険適用の有無
かぶせる治療
(クラウン)
歯の欠損を補う治療
(ブリッジ)
保険治療
(パラジウム合金)
自費治療
(金合金)
〈白金合金)
自費治療
(ハイブリッド)
(セラミック)
Q4
クラウンを被せたら、むし歯にならないの?
A4
クラウンを被せたら、もうむし歯にならないと思っている方々も少なくないと思いますが、クラウンを被せてもむし歯になることがあります。
「金属なのにどうして?」と聞きたくなるところでしょう。クラウンと歯との境目は当然ながら「歯」です。その部分からむし歯になっていくこともあるのです。
また、歯周病で歯ぐきがやせて歯の根元の部分が露出してしまった場合などは、特に根元の部分からむし歯になりやすくなっています。
「クラウンを被せたから、もうむし歯にならない」ではなく「クラウンを被せても、むし歯になる場合がある」と思って、日ごろから丁寧なブラッシングを心がけて、定期健診を受けましょう。
Q5
かぶせた歯がしみることがあるのはなぜですか?
A5
むし歯の治療を行う時、むし歯が拡がらないようにむし歯の大きさよりも少しだけ大きく削ります。治療後の歯は以前より薄くなるため、刺激が強く伝わります。これが、治療後に歯がしみる理由です。金属のつめ物や、かぶせ物をしても、金属は熱伝導率が高いので、しばらくしみることがあります。ただし、しみる状態がしばらく続くと、歯は神経を保護するように新しい象牙質をつくります。これが
第二象牙質
です。これが形成されると刺激が神経に伝わりにくくなり、しみる症状が治まってきます。
しみなくなるまでの期間は、個人差がありますが1〜2週間から数ヶ月ぐらいです。金属のつめ物やかぶせ物をしてから、なかなかしみる症状が治まらない場合は、かかりつけの歯科医師にご相談ください。
Q6
さし歯を入れてから歯ぐきが黒くなる場合がありますがなぜですか?
A6
1.むし歯や、歯の根の変色が原因
さし歯は見える部分は人工のものですが、歯の根の部分は残っています。ですから、歯ぐきに近い根の部分が変色したり、むし歯になり黒色に変化する可能性があります。
2.歯垢が原因
さし歯と歯ぐきとの境目にプラーク(歯垢)が付着すると、歯ぐきが炎症を起こして色が変化する可能性があります。さし歯を長持ちさせるには、適切なプラークの除去が大切です。さし歯を入れた時にしっかり歯科医院でブラッシング指導を受けてください。ご自分の努力と歯科医院への定期的な通院で防ぐことが可能です。
3.さし歯の金属が原因
さし歯に使っている金属の色が透けたり、金属のイオンが溶出して歯ぐきの色が黒く変色することがあります。さし歯の種類を替えるによって改善できる場合もありますので、歯科医師に相談して下さい。
Q7
金属アレルギーの人は使えないのですか?
A7
金属アレルギーの人は、特定の金属元素に対してアレルギーがでることがあります。皮膚科などで検査を行い、アレルギーの原因となる金属を含有しない「つめもの」や「かぶせもの」を作ります。
金属アレルギーと言っても、 全ての金属が駄目なわけではないので、影響の少ない金属で歯を作ります。実際には口の中の金属を全て取り去るのではなく、疑わしい金属から順番に除去していき、試行錯誤的にアレルギー反応の出ない状態を探していくと考える方が現実的です。
もし体に合う金属がなければ、セラミックス(自費)やプラスチック(保険)だけで作った「つめもの」や「かぶせもの」を入れると良いでしょう。これらの材料は白色で、とりわけセラミックスは、天然の歯の様な美しさです。
★金属アレルギーとは?
溶出した金属イオンによって感作され、再度同じ金属に触れたときに、アレルギー性疾患を生じることが稀にあります。 口腔内における疾患は、口内炎、舌炎、口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)などで、全身的には全身性接触皮膚炎、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、扁平苔癬、その他とされています。口の中のつめ物、かぶせもの、入れ歯などには様々な金属が使用されています。これらの金属は基本的には人体に無害なはずですが、アレルギーの原因になる可能性もあるということが、最近わかってきました。
Q8
ブリッジを入れたのですが、どの様なことに注意すればよいですか?
A8
ブリッジは欠損した歯の部分を補うために形態が複雑になり、汚れがたまりやすくなります。そこで、支台歯と欠損部分を補っている部分(ポンティック)の両方に対して適切なブラッシングを行う必要があります。
この部分に汚れがたまりやすくなるので歯と歯の間の汚れを取るブラシ(歯間ブラシ)をサイズに合わせて使用する。
欠損部分の歯肉とブリッジが接触するこの部分にも汚れがたまりやすく、歯肉が炎症・腫脹す ることがある。太目の専用のフロス(スーパーフロス等)を使用すると汚れが取れやすい。
(右のスーパーフロスは特に先が細く硬くなっているため 隙間からフロスを挿入しやすい。)
なお、適切な清掃方法はかかりつけの歯科医院で指導を受けるようにしましょう。
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