Q1 |
歯が抜けたままにしておくと、どうなりますか? |
A1 |
むし歯や歯周病で歯が抜けてなくなると、食べたり、話したりすることが不自由になり、抜けた場所によっては見た目も悪くなります。また、咬み合わせが変化するため、顎が痛くなる、口が開かない、あるいは歯が伸び出したり、倒れてきたりして歯に無理な力がかかってぐらぐらしだす、といったことが起こる場合もあります。
入れ歯を入れる目的は失われた機能の回復と口の中を安定した状態に保つことにあります。そのためには歯科医院での定期的なチェックが欠かせません。是非かかりつけの歯科医院を持つことをお勧めします。
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Q2 |
入れ歯にも色々種類があるそうですが? |
A2 |
入れ歯には総入れ歯と部分入れ歯があり、材料によって分けると、レジン床義歯と金属床義歯があります。人工の歯をならべる土台の部分を床(しょう)といい、レジン床義歯は床の部分にプラスチック(アクリル樹脂、ポリスルホン樹脂)を使います。又、装着感を軽減するため、あるいは部分入れ歯の設計の自由度を高めるために床の部分に金属を使って作るのが金属床です。
部分入れ歯は、人工の歯をならべる土台(床)の部分と、歯に固定するバネ(維持装置)とから出来ています。部分入れ歯の機能上、最も重要なのはこのバネで通常はクラスプ(鉤)と呼ばれるものが使われますが、そのほかにもいろいろな維持装置があります。
また、クラスプのない入れ歯もあります。その名のとおりノンクラスプ義歯といいます。クラスプがないので、金属色が目立たず、自然な感じに見える長所があります。
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最近では、磁石を利用した維持装置も開発されています。 |
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Q3 |
入れ歯に慣れるのに、どのくらい期間がかかりますか? |
A3 |
慣れるまで数週間、具合が悪く感じるかもしれません。その間に入れ歯を歯科医に調整してもらってください。少し歯ぐきが痛くなることがありますが異常ではありません。慣れるまで、ある程度の我慢が必要です。唾液が一時的に増えるかもしれませんが慣れてくると正常に戻ります。
また、部分入れ歯を装着したりはずしたりするのには練習が必要です。咬むことにより所定の位置に押し込めたりすると、維持装置(バネ)が曲がったり、壊れたりしますので、慣れるまで歯科医の指示に従い慎重に行いましょう。
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Q4 |
入れ歯はどのくらいの時間、入れておけばいいですか? |
A4 |
最初どのくらいの時間入れ歯を装着しておくべきかについては、歯科医の指示に従ってください。最初の数日間は就寝時を含めいつも装着しておき、そしてこの最初の調整期間の後、就寝時には、はずしておくようよう指示されるかもしれません。これは歯と歯ぐきを休ませるためです。一般的に、歯ぐきがいつも入れ歯によりカバーされるのは望ましくないことです。 |
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Q5 |
入れ歯を入れると、どれぐらい食べられますか? |
A5 |
最初は小さくきった軟らかい食べ物から始めてください。下の表を参考にして、少しでも食べられるものの種類を増やせるよう練習してみてください。抜けている歯に代わり、入れ歯を使うことに慣れてくると、食事がいっそう楽しくなるはずです。
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Q6 |
保険の入れ歯と自費の入れ歯(金属床義歯)はどう違うのでしょうか? |
A6 |
金属床義歯とは、義歯床(入れ歯の土台となる部分)が金属で出来ている入れ歯です。
義歯床を金属にすることで入れ歯を薄くすることができるので、保険のものよりも喋りやすく、違和感が少ない入れ歯を作れる可能性が高くなります。
ただし、金属床義歯は高価で、また修理が難しいため、保険の入れ歯ではどうしても満足できないという場合にかかりつけ医と相談して下さい。
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Q7 |
入れ歯を入れると、発音は変わりますか? |
A7 |
入れ歯を装着すると、多かれ少なかれ発音の不自由を感じますが日数がたつと自然と解消することが多いものです。新しい義歯は普通何度かの調整で1ヶ月以内にほとんど慣れていきます。また、歯の状態によっては入れ歯を入れることで発音が良くなることもあります。 |
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Q8 |
入れ歯の手入れは、どのようにすれば良いですか? |
A8 |
入れ歯はたいへんデリケートですので、落とすと割れたり、維持装置(バネ)が変形して装着できなくなる恐れがあります。入れ歯の手入れをするときはタオルの上か、洗面器に水を張って行ってください。
入れ歯の汚れを取るためには、専用の洗浄剤を使い、専用に設計されたブラシで磨くのが最も良い方法です。洗浄剤は指示書通りに使用してください。入れ歯のプラスチックの部分は、歯磨剤を使って強くこすると摩耗する恐れがありますのでやめましょう。そして決して熱湯に入れないようにしてください。
また、はずしている時は、子どもやペットの手の届かないところに置き、水を張った容器に保管してください。
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Q9 |
入れ歯はどのくらい長持ちしますか? |
A9 |
入れ歯そのものは金属や樹脂等でできており、口の中に入れなければ半永久的にもつでしょう。ただし口の中に入れた入れ歯は、かなり苛酷な環境にあり、それは各人によって異なっていますので、どのくらい持つかは一概に言えません。
口の中は絶えず変化していきますから、時間がたてば入れ歯と顎の形が合わなくなってきますし、人工の歯の部分がすり減り、かみ合わせも変化しますので定期検査が必要です。またバネのかかっている歯がむし歯になっていないか、歯周病になっていないか、粘膜の状態や舌などお口全体の検査も受けるようにしましょう。
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Q10 |
入れ歯は割れても修理ができますか? |
A10 |
プラスチックの部分が割れたのなら、多くの場合はその場で修理が可能です。なるべく、そのままの状態(接着剤で修理しようとしたりせず)で歯科医のところに持って行きましょう。
また、金具の部分が折れてしまった場合は、その部分のみ作り直す場合と、入れ歯自体を作り直す必要がある場合があります。
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Q11 |
入れ歯安定剤を使ってもいいですか? |
A11 |
正確に合っていれば通常、安定剤は必要ありません。安定剤を常用しなければならないような入れ歯は歯や歯ぐきを傷めたり、顎の骨の吸収の原因になります。もし入れ歯がゆるく感じるなら歯科医に診てもらいましょう。 |
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