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平成24年度 第4回 吹歯学術講演会 聴講報告

開催日時:平成24年9月18日(水)

『歯周組織再生療法の展望と課題』―再生療法が変える歯科の未来―

大阪大学歯学部 村上伸也教授をお招きし『歯周組織再生療法の展望と課題』―再生療法が変える歯科の未来―という演題で、御講演して頂きました。

病気や外傷等により失われた組織・臓器を元通りよみがえらせようとする「再生医療」に対する期待が益々高まってきています。歯周治療の分野においても、歯根膜に「歯周組織幹細胞」が存在するとの考えを基に、骨移植、さらにはGTR法やエナメルマトリクスタンパクを用いた歯周組織再生療法が次々と開発され、これらの治療法はすでに臨床の現場で一定の成果をあげています。しかしながら、これら既存の再生療法には、適応症例の制限、十分とはいえない予知性等、克服されねばならない課題が残されています。近年これらの治療法に加えて、サイトカインを歯周外科時に局所応用することで歯周組織の再生を図ろうとする試みが、次世代の歯周組織再生療法として注目を集めています。大阪大学歯学部の研究室では、強力な血管新生作用と間葉系細胞の増殖誘導能を有する塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor: bFGF;FGF-2)と呼ばれるサイトカインを歯周外科時に歯槽骨欠損部に局所投与することにより、歯周病により失われた歯周組織の再生を人為的に誘導・促進する、新規歯周組織再生療法の開発に取り組んでおられます。そして、ヒトの2壁性および3壁性歯槽骨欠損を対象とした臨床試験が全国の施設で実施され、0.3%のFGF-2を含有する治験薬の局所投与が、規格レントゲン写真上で統計学的に有意な歯槽骨新生を誘導することが確認されたようです。これらの治療法は、歯根膜に存在する幹細胞を活性化することで歯周組織の再生を促進しようというものです。現在、歯根膜に存在する幹細胞数が不足するような状況を打破することを目的として、幹細胞移植により歯周組織再生誘導を図ろうとする臨床試験も開始しようとされています。この際に用いる間葉系幹細胞は腹部の皮下脂肪から採取することを計画されており、今回の講演では、FGF-2に関する研究成果の報告に加え、歯周治療学の分野で今後どのようにサイトカイン療法や細胞移植治療が評価され、歯科の臨床の場に根付いていくのか、また残されている課題は何かについてご講演して頂きました。


(12班 高木 忠徳)
 

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