社団法人 吹田市歯科医師会
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医療・保健関係者への情報
第2回学術講演会 聴講報告
スポーツ傷害の予防としてのマウスガードの普及活動
平成17年6月14日(火)開催

学校歯科保健活動の充実を目指し、大阪府学校歯科医会高等学校会及び大阪府高等学校歯科医師会会長の久保憲明先生をお招きして、「明日から役立つシリーズ:スポーツ障害の予防としてのマウスガードの普及活動について」と題してご講演いただきました。マウスガードについて、世間一般の認知度を高めることが必要であり、そのためには、学校歯科保健を通じた活動が重要であることを力説されました。また、マウスガードの作製方法についても多くの要点を教えて頂き、明日からの臨床に役立つ講演会でした。
久保憲明先生
以下、ご講演の要点を、まとめてみました。
ある高校の女子バスケットチームは、マウスガード装着により、年に2〜3回発生していた口腔内の外傷がなくなった。高校の部活の場合、3年生になって初めて装着する部員は違和感を訴える事が多いが、1年生の時から装着させると先輩を見ているので素直に受け入れてくれ違和感の訴えも少ないようである。
学童期から装着を始めたほうが望ましいが、成長期であり何回も作り直さなければいけないという問題がある。小学校5,6年生以上にマウスガードを作るようにしているが、5,6年生では全顎の型を採らないといけないため、嘔吐して型が採れない場合もある。
マウスガードの厚みは、分厚いものの方が、薄いものより効果が高いという事はない。しかし、強度の関係上あまり薄すぎてもいけない。使用するシートの厚さは、3.8ミリが標準である。材料は、エチレン酢酸ビニル共重合体であり、2年ほど前から選択衝撃吸収性を持つシート(3.0ミリ)も発売されている。
口腔外傷の内訳は、約70%が軟組織の損傷である。口腔外傷は、野球、サッカーで多く起こるが、これは競技人口が多いからである。意外に競技人口は少ないが、水球に多く発生する。
また、学校で外傷により歯が脱臼した場合は、歯牙保存液「ネオ」の中に歯を入れて、できるだけ早く歯科受診をする事が望ましいが、保存液がない場合は、臼歯とほっぺたの間に挟んで歯科に行くようにする。
マウスガード
マウスガードの効果は、以下の通りである。
1.歯の破折や脱臼の予防
2.軟組織の損傷の予防
3.脳震盪の予防
市販され自分で作るマウスガードは、1の効果は疑わしく、歯科医院で作成するカスタムメイドのマウスガードの方がこれらの効果が高い。これは、歯や歯肉への適合性が全く違うからである。また、マウスガードを装着することにより、特別に力が出たり、運動能力が急に向上したりすることは、頭部を固定して行なうスポーツ(アーチェリー等)以外ではないとされている。
生徒の保護者の多くは、マウスガードについての知識や情報が少ないため、マウスガードを装着するよう自分の子どもに言わない事が多い。しかし、現場の指導者や監督は、事故が起こったときの責任問題の関係上、装着を強く指導する事が多い。
マウスガードがなかなか普及しない理由として以下の事が考えられる。
1.マウスガードそのものを知る機会がない。
2.マウスガードの入手が容易でない。
3.歯、口腔への意識が、ウ蝕や歯肉炎などの疾病対象であること。
4.歯学部教育において確立されていないこと。
5.安全に対する意識が十分でないこと。
これらの、問題点を充分考慮し、マウスガードを普及させていく必要がある。
また、スポーツ店で購入できる既製品は、適合という点において問題が多い。歯科医院で歯型を採って口腔内に適合したカスタムメイドのマウスガードを作る方が、効果も大きく耐久性も良いので、この点も周知させていく必要がある。
(学術研修委員担当−疋田、葛城、山下)

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