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平成22年度 第4回 吹歯学術講演会 聴講報告

開催日時:平成22年8月25日(水)

「乳歯・幼若永久歯の歯髄処置〜外傷歯への対応も含めて〜」

講師に大阪大学歯学研究科 小児歯科学教室 大嶋 隆先生をお招きし、「乳歯・幼若永久歯の歯髄処置〜外傷歯への対応も含めて〜」と題してご講演いただきました。


小児の歯科治療、特に歯髄処置は、小児う蝕の減少とともにその適応数が明確に減少している。しかし小児う蝕が減少すればするほど、歯髄処置の意義は増大し、安全で確実な処置が求められている。小児う蝕が減少した現在においても、乳歯の歯髄処置の多くがう蝕に起因しており、う蝕の予防と早期発見の重要性は増している。とはいえ、今でもなお覆髄では収まらずに抜髄を施すケースは、しばしば認められる(阪大病院では、FC断髄法、水酸化カルシウム断髄法は成功率が高くないため、ほとんど行われておらず抜髄を施す)。

また、歯髄死に陥った外傷乳歯は治療できるようになってから感染根管処置を行う。陥入した場合、9割程の確率で自然再崩出してくるので経過観察を行う。


一方、幼若永久歯の歯髄処置はそのほとんどが外傷に起因している。外傷により象牙質が露出したり、露髄したものであるため、受傷直後に処置を施せばその予後は良好となる。しかし受傷後しばらく放置したり、誤った処置を施すと予後は不良となり、永久歯としての寿命を短くすることになる。特に高位断髄や抜髄、あるいはアペキシフィケーションにより根尖がうまく成長し閉鎖したとしても、支える歯髄をなくした象牙質の成長はその処置の時点で停止する。このため外傷により露髄した永久歯は薄くて脆弱な象牙質で構成されることになり、破折をきたして予後不良となる可能性が高い。幼若永久歯の歯髄処置は覆髄、あるいは部分断髄(低位断髄)で収めておかないと予後は良好とは言えないことになる。

また、中心結節の破折による歯髄処置もありうるので、破折予防のために中心結節の周囲をレジン充填しておくことが推奨される。

永久歯の陥入の場合は、抜歯再植し一か月スプリントした後、感染根管処置を行う。
 オトガイ部の外傷は顎関節と臼歯部の骨折の可能性があるため精査が必要である。


今回の講演では、乳歯・幼若永久歯の歯髄処置について、その主要な原因の一つである外傷を念頭に置いてお話して頂きました。
 乳歯及び幼若永久歯それぞれの覆髄、断髄、抜髄、感染根管処置について分かりやすくご講演して頂き、明日からの診療に活用できる内容でした。

まとめ

  • 幼若永久歯はできるだけ覆髄もしくは部分断髄
  • 根尖閉鎖術は予後不良
  • 感染根管治療後は歯が割れる可能性を説明
  • 乳歯の脱落までの期間を考えて処置方法を決める
  • 乳歯の感染根管処置は抜歯を念頭において処置をほどこす


(6班 菱田 茂)
 

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