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平成19年度 第7回吹歯学術講演会 聴講報告

「開業医が遭遇する口腔外科症例と、病院口腔外科での外科的治療法」

平成19年11月28日(水)

講師に大阪歯科大学口腔外科第1講座 吉田 博昭 先生をお招きし、開業医が平素日常臨床で遭遇する顎関節症、顎変形症の外科的治療法についてのご講演を貴重なスライド写真を多数交えながらしていただきました。以下聴講報告させていただきます。

1.顎関節症の分類と診断
T型 咀嚼筋障害
U型 関節包 靭帯障害
V型 関節円板障害
W型 変形性関節症
X型 T〜W型に該当しないもの

顎関節症における3大症状としては、疼痛、関節雑音、顎運動障害があり、日本関節学会における顎関節症の分類は上記である。その中でも最近はX型に分類される心因的な症例が多くみられる傾向にある。これらの診断方法としては、理学的検査、顎運動機能検査、X線、シンチグラム、MRI等がある。診療所ではパノラマでの診断となりますが、なかなか見る機会の少ないCTやMRI画像の所見を説明いただきました。その際、下顎の左右差、下顎角の発達、欠損歯、また智歯の挺出が原因で顎の側方移動の妨げが起因している場合もあるため、診断の判定基準とする。

また、顎関節症以外の疾患としては、頭蓋内疾患や隣接器官の疾患があり、顎関節症と鑑別すべき疾患としては、三叉神経痛、強皮症、硬直性脊髄炎、舌咽神経痛、上咽頭腫瘍、脳腫瘍等があるため、慎重に診断すべきである。

2.顎関節症の治療法

顎関節症の治療法として主なものに、保存的治療法として、物理医学的療法(マイオモニター、スプリント等)行動医学療法(カウンセリング、リラクゼーション、ペインクリニック等)、薬物療法(筋弛緩剤 等)の他、非開放性関節外科療法、開放性関節外科療法 等がある。

開口障害を起こしている場合、リハビリテーションが簡単で効果的である。方法としては、中心咬合状態から左右および前方へできる限り動かしてもらう運動を毎日繰り返しおこなうものである。また、下顎を前方へ移動した状態で術者が指で開口させていくマニュプレーションも効果的である。

顎関節症の治療としては、マイオモニター、スプリント、関節内注射(最近ではキシロカインを使用)、関節腔内洗浄(ラクテック点滴を使用)、顎関節鏡、顎関節開放術等をおこなっています。

習慣性顎関節脱臼の治療法としては、オトガイ帽、顎間ゴム等の非観血的療法と運動抑制法、下顎頭運動平滑化法、関節突起の捕縛法、顎関節鏡下手術、自己血注入法等の観血的療法がある。講演では関節結節形成術の貴重なスライドを見せていただきました。
咬筋・側頭筋拘縮症に対する処置として、筋突起除去と下顎角形成術,咬筋剥離切除術の講演もしていただきました。その他、継続治療が中断された際の特殊スプリント療法放置症例における弊害、パンピング療法と関節腔内洗滌療法、関節鏡視下手術、外科的開放手術(関節円板除去術)の貴重な症例をスライドにて講演していただきました。

3.顎変形症

顎変形症としては、上顎前突,下顎前突,上下顎前突,下顎劣成長,顔面非対称,咬筋肥大症があり、顎関節症の原因となりうる。各種画像検査(セファロ分析,3D−CT)を行い顎変形症と診断された場合外科的治療法にて治療をおこなう。講演では上顎前方歯槽骨切り術、下顎前方歯槽骨切り術、下顎骨矢状分割法、Le Fort I 骨切り術(顔面非対称)、下顎骨垂直骨切り術(顎関節疾患にも,やさしい手術)、下顎角形成術(いわゆるエラ張り)の術前術後の症例の貴重なスライドを見せていただきました。

顎変形症の治療で難しいのは美容整形のような審美的な要素も含まれるため、本人以外の家族や周りの人の同意をしっかり取れるよう術前のムンテラ(インフォームドコンセント)の重要性を実際の経験した話をしていただきました。

以上講演内容の術式のほとんどは診療所ではまず行う機会はないですが、紹介した患者様がどのような手術を受けているのかが想像できるようになり、これからの診療にとても役立つ講演でした。


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