社団法人 吹田市歯科医師会
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平成18年度 第10回吹歯学術研修会 聴講報告

『臨床に役立つコンポジットレジン修復の知識』

平成18年11月24日(金)

講師に大阪歯科大学歯科保存学講座 山本一世教授をお招きし、審美接着修復の理論と実践「臨床に役立つコンポジットレジン修復の知識」と題してご講演いただきました。
講演終了後、多くの質問が出され、活発な質疑応答の中で、明日からの臨床に役立つ実り多い講演会となりました。 以下、聴講報告です。

1、歯質接着の基礎知識・歴史

第一世代(1970年代前半)の接着はエナメル質のみを接着の場にしていたが、第二世代(1970年代後半)になり、エッチングにより露出した象牙質コラーゲン繊維に化学重合型のボンディング剤を用い接着させるようになった。しかし、酸処理後にエアーで乾燥させるとコラーゲン繊維の収縮が起こり、いわゆる樹脂含浸層が形成されず、その結果辺縁漏洩による歯髄症状をおこす可能性が高かった。

そのために第三世代(3ステップ)では、この収縮したコラーゲン繊維を回復させる作用があるデンチンプライマーの使用により、象牙質とコンポジットレジンの間に樹脂含浸層をつくり接着力を増加させることができた。しかし、この方法でも1年2年と時間がたつにつれ接着力が落ちた。原因は、プライマーで立ち上がりにくいコラーゲン繊維があり、単なる脱灰層であったり、コラーゲン繊維のみの層などの形成で耐久力が落ちたためである。
そのような試行錯誤の末に以下に説明する現在のシステムができた。

@ 2ステップセルフエッチングプライマーシステム

リン酸をやめてエッチング能力のある酸性モノマー配合プライマーを使用した。リン酸を使ってないので、酸の影響による歯髄症状もおこしにくい。
2ステップのものは接着力がエナメル質部よりも象牙質部の方が高くなるケースがある。ボンディング剤塗布後、強圧下でエアーブローすると未重合層の形成が相対的に増え、象牙質との接着力の低下をおこす。
エアーブローしなければHys症状も呈しにくい。

A オールインワン(1ステップ)システム

酸性モノマー配合プライマーとボンディングが一つになったもの。
作業時間短縮できるが、スメア層もろとも接着させてしまうので、接着強度の低下が心配だと山本先生は言われていた。
2ステップセルフエッチングプライマーシステムのものより接着力は落ちるが、臨床的には十分な接着がある。

B 酸エッチングーウエットボンディングシステム

現在は、これら3つが主流である。

2、 シェードテイキング

モンゴロイドはまずAシェードなので、ある程度シェードを合わし、後は明度で決定する。また光は蛍光灯でなく自然な光を使う。シェードガイドはテクニックとして充填する前に、使いたいレジンを口腔外で硬化させてシェードをあわせる方法を紹介していた。

3、 窩洞形成

前歯部修復は審美性を考慮し、ベベルを広めに与えたほうが良い、エナメル質はレジンの重合収縮時に破折の危険があり、また最近のレジンは変色しにくいので、前歯部のカリエスを削合するときも唇側からあけてもよい。その方が作業もしやすい。

4 、コンポジットレジンの臨床

@ 前歯部隣接面

・ M.I.も考慮し、レジンは遊離エナメルでも接着するので残しても良い。
頬側から口蓋側に抜けてる窩洞は透明なレジンなら口腔内がすけて暗く見えるので、先に透明度の低いデンチン色を使い積層充填する。

A 切端破折

・ 治療は2日にわけ、1日目に象牙質面をレジンでコーティングし、冷痛を抑える。
その日に破折部の模型をつくり、シリコンを用いた充填用コアを作成しておく。
2日目に充填部位がエナメル質対象なのでエッチング処理をし、あらかじめ作ってあるコアを使い、まず舌側にエナメル色のレジンでシェルを作り、その上にオペーキーなレジンを積んで、表層にエナメル色のレジンを使う。

B ダイレクトベニア修復

・ 唇面削合なしの場合はフッ素配合でない研磨剤で研磨し、リン酸でエッチングしてから2ステップセルフエッチングプライマーシステムを使って充填する。しかし削合を行わないので、のっぺりしてしまい審美的に悪い。やはり唇面面はある程度削合したほうが、審美的によい結果が得られる。

C 2級修復

・ セクショナルマトリックス・バイタイリングを使用しコンタクトの回復を行い、咬合面に充填するレジンはやや明度の高いレジンのほうが審美的にも良い。



( 学術研修委員会 担当 野中優憲、高木忠徳、岡本吉宏 )

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