社団法人 吹田市歯科医師会
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平成18年度 第8回吹歯学術研修会 聴講報告
病院歯科でのいびき外来の役割と展望
平成18年9月29日(金)

講師に小松病院歯科口腔外科 医長の田村仁孝先生をお招きし、「病院歯科でのいびき外来の役割と展望」と題してご講演いただきました。
以下に、講師の田村先生より、事後抄録を頂いておりますので掲載させて頂きます。

睡眠関連疾患の中でも最も患者数が多く,日常的に遭遇する疾患は睡眠呼吸障害と不眠である.そのうち睡眠時無呼吸症候群の患者数が最も多く本邦にも200万以上の患者が潜在していると思われる.実際最も多く遭遇する疾患は睡眠時無呼吸症候群である.いびき,無呼吸,昼間の眠気などを主訴として,平成15年7月より小松病院ではいびき外来の診察を行っている.本院では,まず簡易型睡眠呼吸障害モニターによる検査にて重症度の診断を行い,必要時に応じてPSG,PSG Titrationを行う.SASの検査,診断,治療を含めた睡眠医療を行っている病院は少なく,より一層の啓蒙活動を行うことにより,より専門的な観点から地域医療に貢献できるものと考える.

平成の2.26事件,それは山陽新幹線で発生したJR西日本の居眠り運転の事件があった日すなわち平成15年2月26日である.その後,その運転士は重症の睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome ,SAS)と診断され,全国的にこの病態が詳しく取り上げられることになったのは、記憶に新しいことである.症状は昼間の眠気がひどく,睡眠中に大きないびき,無呼吸,低呼吸を伴うことである.SASは,無呼吸などからの回復期に出現する覚醒反応により睡眠が断片化し,日中の眠気を生じるだけでなく,高血圧,虚血性心疾患,脳血管障害との関連も報告されている1,2,3) .特に高血圧に関して,米国で行われた大人数調査によると,SASが肥満とは別に高血圧の原因になると報告し,2003年の米国高血圧合同委員会の指針ではSASは高血圧の原因のひとつであることがあきらかになり,新しい生活習慣病と認識されつつある

平成15年7月より平成18年7月までのいびき外来を受診した患者の平均年齢は, 49.2±17.1歳(男性48.9±16.3歳,女性50.3±20.6歳),平均身長は,163.3±13.2cm(男性166.9±9.2cm,女性149.7±17.2cm),平均体重は,68.6±17.9kg(男性71.1±15.9kg,女性58.7±21.5kg)であった.35名の患者は検査を希望されなかった.受診の動機は院内ポスターを見て受診された患者が多く,次に多かったのは,外科,糖尿科,耳鼻科,循環器科などからの入院患者を含めた他科からの依頼であった.インターネットを検索して受診したという患者も来院された.いびき,無呼吸を主訴に来院された患者が60名で最も多く,主訴に少なくとも眠気を訴えた患者は75名であり,実に45%の患者に眠気に対する訴えがあったということになる.既往歴として,高血圧,狭心症の既往がある循環器疾患,糖尿病が多かった.重症度の評価として,いびき症は15名,軽症のSASは34名,中等症のSASは35名,重症のSASは45名であった.治療方針として,単純性いびき症,軽症のSASの診断により,重症のSASでCPAP加療を要した症例が55名,減量もしくは睡眠体位の工夫をするなどの経過観察を行った症例が28名であった.マウスピース作製などの歯科治療を要した症例が24名,その他,甲状腺機能低下症,糖尿病などの診断で他科依頼を要した症例が22名であった.

SASとして認知された歴史は浅いが,EBM(Evidence Based Medicine)に則った診察を求められ,今後より一層病診連携,病病連携を含めた対応を迫られると思われる.

以上が、田村先生からの事後抄録です。

いびきは、日常的に自分自身もよく体験しております。無呼吸と一緒に起こるため、身体に大きなストレスを与えることを考えると、たかが「いびき」と無視はできないと感じました。積極的な治療により改善することもわかり、それに歯科医師が関わっていけることを認識いたしました。



(学術研修委員会 担当 近藤哲也、森岡 猛、高島 全)

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